M-1グランプリ2018
いやー今年も良い大会でしたね。
リアルタイムで見て、一夜明けて録画を改めて見返したので、ゆっくり振り返って行きます。
①まとめVTR。
今年は特に感動とか、涙にスポットを当ててるように見えて、それも相まってかワクワクと同時に、既に泣きそうになりました。
今年のファイナリスト発表から入るのはたぶん初めてで、今までは最後にファイナリスト発表の場面が入ってたんですが、既にGYAOで何回も見たシーンなのに、見取り図とか霜降りの涙にジーンと来ますよね。
本当に芸人さんがここにかけてるってのが伝わる。
だからM-1は熱いし、面白い。まさしく青春。
最後の武智がカメラに抜かれた場面かっこよすぎて震えました。
②笑神籤
今年からトップアスリートが引くということで、最初はテンポが悪くなりそうだから去年通りで良いと思ってましたが、結果的に良かったですね。良い緊張感を生んでたし、面白い出番順となったのでやっぱ持ってる人間は違うなと。
あと今年は放送時間が長めな分、説明などに多めに時間を割いてましたが、一番良かったのはネタ後の審査員コメントが多めにあったことですね。
放送時間が長くなった分、間延びする不安もありましたがそんなことなくたっぷり楽しめました。
③審査員
去年から上沼さん、松っちゃん、礼二、巨人師匠は続投し、新たにサンド富澤、ナイツ塙、志らく師匠が参加。
関東かつ非吉本で漫才をやってるとなるとこの辺りは妥当なラインだったかなと。
落語家さんは小朝師匠といい、他の芸人さんと違う視点で、凄く面白い評価をされるのでバランス良い7人になったと思います。
塙の内海桂子師匠イジリがほんと面白かったですw
④敗者復活戦
僕が投票したのがミキ、プラス・マイナス、マヂカルラブリーでしたが、事実上ミキとプラマイの一騎打ちでしたね。
結果ミキが上がったことに異論はないですが、プラマイ上げてあげたかった、、、
⑤ファーストラウンド振り返り
見取り図「彼女を紹介」 84点
トップ出番が特に厳しいコンビと見てたので、ちょっと苦しかったかな。
盛山のフレーズ勝負の漫才なので、ある程度客席が温まったところで出てきたらハマると思ったのですが、かなり緊張感があったのかハマってないフレーズも多かった。らしさは出てたし、フリを回収したり、あたおかとかまさに見取り図って感じのネタでした。
まっちゃんの言う通り、単純にもう少し笑いが欲しかった。
でも顔見せは出来たし、別パターンの漫才も作れれば来年以降、カムバックする可能性は大いにあるでしょう。
スーパーマラドーナ 「隣人」89点
準決勝で披露したネタらしく、初見でしたが、惜しかった。
前半田中がドアをバーンと閉めた場面でグッと掴んだですが、そこから高まる期待を超えて来ず、中盤からかなり失速してしまった。
田中を最大限に生かすネタとしてはこれ以上無かったし、考えて作ってきたってのは凄く伝わりましたが、田中を活かしすぎるあまり武智のキャラが抑えめになってしまった。
やっぱみんな田中をどやす武智が見たいんですよね。そういう意味では、ここもまっちゃんのコメントを引用するなら、ラストイヤーでこのネタではなかったかもしれない。暗いとは思わなかったですが、らしさを感じきれなかった。
でも、後述しますが、こことギャロップは塙のコメントが全てです。これからも劇場で漫才を見せて欲しい。敗退コメントも素晴らしかったし、田中がテッテレーの下りで凄く良い空気を作ってくれた。まっちゃんの言うチームワークの中心にいたのは間違いなく田中でしょう。ほんと感動しました。
かまいたち「タイムマシーン」93点
まだ会場がフワフワしてる中で、爆発もあったような気がしたし、濱家がおかしくなったあたりから一気に跳ねたと思いましたが、前半やや盛り上がりに欠けたか。
ただもっと点数はあっても良いと思いましたね。巨人師匠がやや厳しかったと感じた。志らく師匠も的確で、巧さこそ前2組と比べて際立ってたものの、歴代のトップクラスほど腹抱えての爆笑ではなかった。
そういう意味では、爆発力のこもったネタを作れない点で和牛と同じ感じになっていくかもしれないと少し不安にはなりましたね。
ジャルジャル「国名分けっこ」87点
事前にGYAOで見てしまってたこと、去年とタイプが然程変わらなかったこともあり、目新しさを感じなかった。らしさは出てるんだけど、好みは分かれるって評価に尽きる。
これを確信性と捉えた志らく師匠は評価したし、嫌いと断じた上沼さんの対照的なコメントが全てです。そういう意味では客受けを考慮しても妥当な点数でしたね。
ただ同じことをしつこいくらい繰り返して、脳内を侵してくるのはさすがジャルジャルだと思いました。ゼンチンが頭から離れません。
ギャロップ「合コン」85点
なぜハゲ推しで来なかった、、関西人はみんな生えすぎちゃう?を待ってたのに、、
ここも審査員コメントを引用するなら、M-1向きではなかったんだよなあ、、寄席とか劇場で長く見たいネタでしたね。
志らく師匠のハゲ方が面白くないがめちゃくちゃ面白かったけど、違うニュアンスで言うと、もうハゲを最大限に活かせる年齢を過ぎちゃったんですよね。
林は出てきた時からハゲてて、若い頃のインパクトたるや凄まじいものがあったんですが、この年だとまあ普通ですからね。そういう意味ではインパクトに欠けたのかもしれない。
塙のコメントには感動しました。一生漫才をやっていく仲間ってコメントは、ギャロップとスーマラには刺さったでしょう。関西の劇場をこれからも支えて欲しいです。
ゆにばーす「レポーター」84点
厳しかった、、笑
ツカミで噛んだのと、その後の川瀬のミスで客を離してしまったのをそのままつかみきれずにズルズルいってしまった。
ここも正統派に見える割にパターン化しつつあるところがあるので、もっと色んなネタを作っても良いのかもしれない。
はらちゃんの中盤の喋りとか達者でしたし、もっとはらちゃんに喋らせる漫才でも良いのかも。
ミキ「ジャニーズ」90点
会場の空気が、完全に勢い、ハイテンポを求めていたって点では最高の出番順できましたね。ネタは敗者復活戦から変えて来ましたが、亜生が上手くなったと思いました。ボケにベタさを然程感じなかった。勢いがやっぱありますね。
上沼さんのコメントがやはり賛否ありますが、概ね賛成で、同じタイプのネタできたギャロップとは、今日の出来においては大きく差を見せたと思います。
トム・ブラウン「中島くん」88点
最初見たときは、あんまり客受けしてないのかなって思ったんですが、見直すと結構ハマってましたね。もう馬鹿馬鹿しくて仕方がないw
完全に爪痕は残しましたよね。土に埋まった加藤一二三w
富澤が途中で聴くの辞めたって言ったの本当に笑いました。
志らく師匠は革新性や発想を特に重視されてるのがよくわかる。結果として点差は出てますが、ブレがないのが良かったと思います。
霜降り明星「豪華客船」98点
もう感動。素晴らしかった。正直ここまでハマるとは思ってもなかったです。
予想の遥か上をきました。
霜降りのネタは、粗品のフリップ芸と言われることもある通り、実は設定に合わせて並列的にボケを並べてるだけで、和牛やかまいたち、スーマラのような、いわゆるM-1で勝てるストーリー形式のネタではないんですよね。そこが僕はどう評価されるのかが不安だったし、面白いんだけどハマらないところも出るのかなって思ってました。
ところがこのコンビは、塙も言ってた通り、2人とも強いんです。南海キャンディーズが山里、オードリーが若林、見取り図が盛山で勝負しているのに対して、ここは2人とも力がある。僕のイメージはON砲ですね(古い
そして粗品のピン芸とは大きく違い、やはりせいやのわかりやすく、それでいて皆んなに受け入れられるストレートな表現、視覚にも聴覚にもすんなり入ってくるボケを、粗品が確実につっこむ。そのワードも、巨人師匠の言う通り、こっちの期待を超えてくる。それも飛びすぎた発想ではなく、分かる範囲で超えてきたのが本当に良かった。ここまでハマるかってぐらい、全てはめてた。打率10割でした。
パワフルでした。本当に好きなコンビだったし、贔屓目も多少はありますが言うことなかった。完璧、今日初めての大爆発を起こしましたね。
それにしても、こんなに早く霜降りの面白さが全国区で広がってしまうとは、、
去年のR-1で両者決勝に進出したとはいえ、関西でも完全に売れ切ってはない中で、一気に爆発してしまいましたね。もう少し関西で見たかったけど、東京はほっておかないでしょうね。売れますよこの2人は。
和牛「ゾンビ」94点
爆発したコンビの後、さらに最終出番、高まる全員の期待、色々厳しい状況の中、確実に掴んでくるあたりは流石の一言。このネタは準決勝まで温存して、準決勝で大ハマりしたみたいですが、僕は思っている以上では無かった。
和牛に対する期待値の高さの現れでもあるのですが、どうも去年あたりから、後半に巻き返して盛り上がることに執着しすぎて、前半から中盤がしんどく感じる。
これなら去年のウェディングプランナーの方がまだまとまりがあったと思いましたね。
後半の盛り上がりはかなりありましたが、霜降りに比べると大きな差はあったと感じました。でも今日の2番ということに異論はないです。
⑥最終決戦
ジャルジャル「均等にする」91点
これは今までのジャルジャルで一番良い漫才だと思いました。変に狙いに行きすぎることもなく、かといってメタに走り過ぎることもない、ジャルジャルの世界観の中で漫才をやってるように見えた。お互い最後までポーズやりながらはけていくところとか良かったですよ。あそこまで一つのことでやり切る度胸とか、最後まで自分たちのスタイルに拘る様が良かったです。
和牛「オレオレ詐欺」95点
オレオレ詐欺って言うよくある、悪くいえば古いテーマ。しかし古さは全くなく、和牛らしさを感じつつ演劇のような雰囲気でした。入り込める面白さがあった。2人で睨み合うところとか強弱も付いてたし、巧さが段違いで際立ってましたね。それでいて上品なのも凄い。
何より毎年期待される中、毎年違うけど、らしさを残したネタを持ってくるあたり感動です。このネタもどうやら隠してたようで、底知れぬスゴさを感じました。
ただ、爆発力、その一点においては霜降りに劣る、その印象は拭えなかったです。
このネタ去年できてたら全票優勝でしたね、、
霜降り明星「小学生」95点
紛れもなく一本目が最高だった、そして同パターンのネタしかないことも知ってたので、一本目よりクオリティを下げないかどうかだけが心配でしたが、しっかりはめてましたね。
一本目ほどの爆発力はなかったものの、確実に客は掴んでました。
このネタ何回も見たんですが、道徳のくだりがカットされてたのがちょっと残念でした。2人にはイマイチだったんでしょうか。僕は刑務所か!が好きなんですけどね。
⑦結果発表
これは本当わからなかった。和牛か霜降りだとは思いましたが、志らく師匠がジャルジャルに入れて1:3:3になる可能性も感じたし、霜降りはまだ次ある、そして二本目やや下げた、その中で和牛が上げてきたことや温情も考えると、和牛の可能性もかなり高いと思いました。
でもやっぱり霜降り、安定して二本出してきたこと、客をバッチリ掴んで離さなかったこと、爆発力も考えたらこの結果は間違ってなかったと思いました。
霜降り明星、本当におめでとう!
ただ和牛のことも思うと、本当に勝者と敗者、残酷な差がそこにはあると感じました。
負けてこの上なく悔しいはずなのに、笑顔で祝福する川西の顔を見たときに、どうしようもなく泣けてきて、霜降りが優勝した嬉しさと混ざり混ざって、なんとも言えない気持ちでした。
漫才の技術、演技力、脚本、全てにおいて和牛は間違いなく、日本一に限りなく近い位置にいると思う。
ただ、今日なんども言った通り、爆発力を秘めたネタを作れない、その一点がM-1グランプリにおいては大きく足を引っ張り続けるかもしれません。
和牛は上品すぎる。もう少し、荒くてもいいからお客さんを巻き込む熱量があれば、文句なしで優勝だと思います。
来年のことを言うのは酷だけど、また出てきてほしいと思いますね。
⑧世界一早いM-1グランプリ2019予想
今年ラストイヤー組、そしてこれから毎年優勝争いをすると思われた霜降りが一年でかっさらっていったので、来年は今年以上の世代交代が見られるかもしれません。
期待値込みで
かまいたち、和牛、見取り図、からし蓮根、たくろう、東京ホテイソン、アインシュタイン、金属バット、ネイビーズアフロ
特にたくろう、からし蓮根、東京ホテイソンは近いうちに絶対出てくると思います。
もう来年が楽しみですね。霜降り明星、本当おめでとう!!